▼(ご案内)東京で林崎新夢想流居合の稽古研究会!(主催:国際武学研究会)

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bugakutokyo.blogspot.jp

 < 武学スペシャル! 林崎新夢想流居合の身体観を紐解く稽古研究会 > 

 国際武学研究会光岡英稔代表師範と修武堂主宰小山隆秀とのコラボ稽古会です!
11月25日(土) 14:00~16:00(コラボ1) 11月25日(土) 16:30~18:30(コラボ2) 11月25日(土) 18:30~19:30(自主練集会・質疑応答)

日時:※ 全くの初心者でも学習できるよう稽古体系は組まれており、武道・武術経験のない方、

日時:※ 体力に自信のない方でもできるよう講習は進めて参ります 日時:初めて参加される方は基礎クラス1または2からの参加がオススメです

会場:11月24日(金):高田第二区民集会室 2階 会議室 〇〇:JR山手線・西武新宿線 高田馬場駅より徒歩5分

〇〇:11月25日(土):南長崎第四区民集会室 2階 会議室

〇〇:都営大江戸線 落合南長崎駅より徒歩8分

〇〇:西武池袋線 東長崎駅より徒歩8分

〇〇:※ 各日で会場が異なりますのでご注意ください! 〇〇:※ 使用する部屋は「意拳同好会」で予約しています

〇〇:※ 会場は借りているだけですので直接の問い合わせははご遠慮ください 定員:各クラス 12名

会費:持物:動きやすい服装 〇〇:練習用の武術の道具【木刀、木刀用の鞘、居合刀、帯】(お持ちの方) 〇〇:※ 武具は貸し出し用が若干ございます 〇〇:※ 希望の方は申込の備考欄に「武具貸し出し希望」と明記ください 〇〇:※ 数の関係で貸し出しが出来ない場合は別途お知らせします
申込:講習会のお申し込みは 兵法武学研究会・東京 お申込フォーム からお願いします《 兵法武学研究会 》 武術家 光岡英稔先生の最新の研究内容を基に各国、各種の武術を稽古、研究していきます。 今最も新しい研究では「袈裟」(梵字 Kasaya)から観えてくる身体観から剣術の基礎にして重要課題である「袈裟切り」「逆袈裟」を見直しています。 11月の講習会では林崎新夢想流のコラボも見据えて、さらなる展開、発展が起こり得ます! 初心者から歓迎のクラスですので、武術のみならず身体のこと、文化のことなどに興味のある方は是非参加ください。 《 林崎新夢想流居合の身体観を紐解く稽古研究会 》 8月に開催し、全国各地からの参加者もあって大盛況だった林崎新夢想流居合のコラボ講習会。 その第二弾の開催が決定しました!! 今回も 修武堂  の小山隆秀先生をお招きして光岡英稔先生とのコラボによる会となります。 林崎新夢想流居合は日本武術における居合の祖である林崎甚助が戦国から江戸時代前期に打ち立てた流派であります。 その林崎新夢想流居合を弘前で継承、研究されている小山先生と光岡先生は以前から長らく交流されており、光岡先生が小山先生に教え頂いた林崎新夢想流の居合型を用いての研究を武学で行ったり、小山先生が光岡先生の講習会へ参加して稽古をしたりしてきました。 今回の講習会では小山先生から林崎新夢想流居合に伝わる型を教えていただき、実際に皆で林崎新夢想流の居合、抜刀型を稽古しながら、光岡先生からはその稽古方法や型が観せてくれる身体観を如何に獲得して行けば良いかなどを助言いただき、体験しながら研究と講習を進めて参ります。

この日本の武術を紐解くための希少な機会に御関心ある方は是非お越しください。 皆様の参加を御待ちしております!
主催 国際武学研究会

8月のコラボ講習会の様子

<ゲスト講師 プロフィール>

小山隆秀(おやまたかひで)

1969年、旧弘前藩(青森県)で代々、卜傳流剣術(ぼくでんりゅう) 指南番を務めてきた家に生まれる。 宗家である祖父 秀雄と父 秀弘(剣道教士八段)に師事し、5才から同流剣術を、6才から北辰堂で剣道を学び各種大会へ出場。 2004年、家伝剣術を研鑽するため、異なる様々な武術や武道と交流稽古を行う武術研究稽古会 修武堂を設立。 一般への普及活動も行いながら、4代前まで師範家を務めていた林崎新夢想流居合の復元と復興を目指して活動している。

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林崎新夢想流居合は、弘前藩のサムライ共通の居合だ。

藩内の當田流、小野派一刀流、本覚克己流和、卜傳流などの各流派がこの居合を併伝した。

幕末以降は、武士以外の人々も学んだから「津軽のスタンダード居合」といっていい。

しかし、そのあまりにクラシカルな姿は、現代の居合とはかなり異なるから、

「なぜ遠い間合いから抜き付けないのか?」というご質問をいただくことがある。

もっともだ。

しかしこの居合では、遠間から抜き合い斬り結ぶ稽古は、上級コースである。

初めはひたすら只管打坐。相手と密着した狭い空間内での抜刀を錬磨する。

多用する座法「趺踞(ふきょ)」は、両脚を地に組み伏せる姿で、現代人からすれば非常に窮屈だ。

(だが、このような座り方は、前近代の日本列島各地では、ありふれたしぐさだったようだ。

縄文から近世までの出土人骨の多くにも、日常的にしゃがんでいた痕跡が残るという。)

もとい。

この稽古では、両脚を封じたうえに、さらに真向かいに打太刀が座り、我が三尺三寸刀の柄をその左腕に当てて、右手を前へ出して抜くことさえ抑制される。

すると目前から九寸五分の小刀が襲ってくる。

すなわち最悪の状況で、いかに自由をえて、懸待一致(攻めと守りがひとつになること)、相手に応じられるか!?

という、戦国末期の開祖、林崎甚助の命題そのものの所作なのである。

ここから居合が生まれたともいう。柔と剣をつなぐものだともいう。

その古い形によって、現代の我々も林崎甚助の探求を追体験していくのだ。

あまりに難しい設定のため、お会いできた近代の修行者達のなかには、動きやすい普通の立ち膝に崩して稽古されていた方々もいた。

長刀を動きやすいするため広い間合をとったり、届かせるために九寸五分の短刀を長くしたり、打太刀の顔面に当て身を入れて、後ずさりさせて空間を空けてから抜く…

といった、いろんな解釈も生まれたようだ。それぞれの伝承には個性があっていい。

しかし、やりやすくするために、古伝の形の大命題を崩してしまえば、上達へ導いてくれる無形の規矩さえも失われてしまうだろう。

この古い居合は、我が三尺三寸の長刀の弱点である「近間」で行うのが骨格なのだ。

すなわち、近い間合いでは相手の九寸五分小刀が圧倒的優勢となる。その彼の制空圏内で稽古することが大前提ではないか。

そのなかで、いかに応じていくか、という錬磨を重ねていくなかでこそ、獲得されていく技法、身体があることを暗示しているのではないか。

追い詰められた龍が玉を吐くように。

最初は、卒倒するほど厳しい設定で、まるで絶壁の前に立ちすくむ思いがするだろう。

だが、伝承武芸のいいところは、いくら断崖絶壁、無人の荒野であろうとも

「前にここを通った人がいる」というレジェンドが、大いなる希望、勇気となることだ。

「わが父祖達が実際にやってきたのだから、できないはずがない」

という、根拠がない強い希望を胸に稽古を進めている。

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なぜ武芸伝書の勉強会をやるのか?

20年前にひとりで歩き出した津軽地方の古武術再起動の旅だが、

近年は多くの強力なお仲間が増えて心強い限りだ。

だが、この世界の奥深さを語り尽くすには、浅学菲才の私だけではとうてい無理だ。

また、ともすれば我々は、伝承の規矩を、現在の己の感覚へと我田引水してしまう。

そのときに、再び原点へもどって定点観測をするため、形や口伝、伝書がある。

だが、ここ100年で武術・武道を取り巻く環境は大きく変化した。

先人の伝書を読む方は皆無に近く、その作法さえ我々は忘れかけている。

いや、読めなくなったといっていい。

書き記した先人達の身体と、同じ地平に立ちはじめて初めて読めてくる表現がある。

よって能力がないのを承知で、少しずつそれを勉強する場を始めたい。

そして先人達が残した「伝説」も大事だ。

現代のスポーツにも「伝説」はある。

先人達の「伝説」は、その真偽を問うよりも、

現在や未来の修行者、プレーヤーの憧れや目標となり、迷ったときの道しるべとなって、鼓舞し、

やがてはその世界を活性化させてくれる。

ふるさとの古い武芸にもそれがある。その拙きガイドをしたい。

いや、何より自らを鼓舞し、袋小路から抜け出して、新しい指針を見出していくために。

 

(業務連絡)

まずは、故太田尚充先生が残された研究をもとに展開していきます。

推奨テキストは、

太田尚充著『弘前藩の武芸伝書を読む 林崎新夢想流居合 宝蔵院流十文字鑓』水星舎、201年(http://ci.nii.ac.jp/ncid/BB01822210)です。

どなたでも参加無料(予約不要)ですが、防寒対策は忘れずに