古剣稽古日誌

古剣稽古日誌

一体あれは、これはどうなるのかと、焦り、不安になるのは、

目の前の現象を、何か既存のカタチや計画へと、無理やりなぞらえて安心を獲得しようとあがくからだ。

だが実は、いまこの瞬間、私向き合わされている現前の現象に先例などないのだろう。

これは初めての固有の現象なのだ、どうなろうと、そのなかに飛び込んで、ただ一心に向き合うほかはない、

と開き直ることにこそ、深い安心立命があるのではないか。

剣術でもそうだ。打たれまいと避け、逃げる方法は無数にあり、いよいよ迷いは深く終わり無くなり、やがて敗れるだろう。。

しかし、相手が打ち込んでくるところはひとつしかない。逆にそこから逃げず、真っ向から迎え撃つことこそ迷いが消え、心身が定まり、最も的確な守りとなろう。

大も小もない、優劣もない、私には私なりの境遇と課題があり、

参考にするものはあっても、同じ回答や絶対的な先例、マニュアルなどないのだろう。
誰しも、世界中の他の誰にも交替できない固有の生を生きている。いや、生きざるをえない。

なんだろうと、己が主役となって解いていくのだ。

固有の課題だから、やがて固有の答えが出るだろう。

それが互いに組み合って、世の中を創り上げている。

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