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弘前で「たびすけ」社主催の「卜傳流剣術ツアー」が好評のうちに終了した。

参加者が着物または袴姿で帯刀し、武士の礼法と所作で、旧弘前藩の城郭であった史跡弘前城跡を散策、野外での剣術や護身法、城攻めの忍の伝等も体験稽古する。

私の企画案を採用していただいた「たびすけ」社、そして講師陣として御協力いただいた修武堂お仲間と弘前大学古武術研究会学生諸君には深く感謝いたします。

宗家である父の代理として私が講師を務めた。

その準備として、家伝剣術技法だけでなく、弘前藩士達が残した史料も再勉強した。

今回ご紹介したことは、かつては弘前藩士だけではなく、日本各地の武士達が当たり前に習得していた知識、所作だが、いまではすっかり忘れられてしまったものだ。

現代武道がイメージする「伝統」とも少々異なっている。

参加者は老若男女。なぜか日本人よりも、海外からこられた方が多かった。

タイ、中国、韓国、ルーマニア、そして忍術を修行されているイスラエル人…。

役不足のうえ外国語もできない私は、堂々と津軽弁で解説するから参加者は大変だったろう。それでも通じているから不思議なことだ。

いろいろ解説していると、自分の中が整理されていき、新しい発見や気づきが生まれていったから面白い。

おそらく野外には、限られた道場内の稽古、競技試合だけでは感じられない、気づけない豊かな要素が満ちている。

往時の武士達はそのような世界と交流しながら武を、兵法を拓いていったのではないか。

このような学びができたのは、皆様にこのような機会を与えていただいたからだ。本当にありがとうございました。

途中、地元女子高生が、黒い羽織袴に大小を差して案内する私の姿を見て「あれ、なあに…!」と失笑していたそうだ。

それも自然なことだろう。

つまり、終わった後で気付いたことだが、同郷の日本人たちは同ツアーよりも、全国フランチャイズのカフェに、皆同じようなオシャレをして行列をしていた。

なるほど。私はかなりズレた奇妙な存在に見えるだろうなあ。

さあ、また日々の稽古に戻ろうか。