「仮想現実」(VR)が、現実と人工的に作られた「現実」をチェンジすることだとすれば、

いま流行りの「拡張現実」(AR)は、現実の一部を強化、改変することだという。

聞こえはいいが、つまり「本当の現実が見えていない」ということではないかいな。

ならば、昔話の「キツネやタヌキに化かされた話」も同じことかな。

薬物等による幻覚も同じことになるのかな。

そして、偏見と差別で他人を侮蔑することも同じかもしれない。

我々人間は、ただでさえ、己の心眼の曇りで、真実が見えずに苦悩している、

と言われて久しいのに、さらにそれを脚色してしまうとは、怖いもの知らずだ。

どちらにせよ、目の前が見えていない、ということは、武術だったら最もまずい状態だ。

痛い思いをするのは確実だ。実戦ならば命がなんぼあっても足りない。

なんだか現代は、現実よりもマボロシをみたい、酔生夢死の風潮が高まっているのではないかいな。

ホントにそれで大丈夫なのかな。

我々一般人が、マボロシにうつつをぬかして、何かを忘れてくれている方が都合がいい、

と思っている輩が、どこかに隠れていないかな。