最近、毎日のように炎天下の弘前公園をランニングしている。

何かあったとき走れる身体、そして地稽古(自由稽古)の体力養成も兼ねて。

照りつける太陽、気温30度越え、体力の消耗は激しく、カラダが重くなっていく。

そうなると翌日も走るのが嫌になって、気合を入れろと無理して、心身が固くなっていく。

ところがだ。同じ日でも、剣を構え、それと己の心身との権衝をとるようにして、いろいろ動いてみると、全身が足元が、軽やかになる。全く別の身体となる。

1キロ未満の道具を持ったのだから、さらに全重量が増えそうなものだが。

やはり道具は、剣は、心身を整えてくれる法器なのだろう。

己の身体の居着きやまずいところもみえてきて、いろんな新しい感覚も生まれてくる。動くことが涼やかに、楽しくなる。

さて、今週8月20日(土)、八戸市東体育館で開催される「第43回東北総合体育大会剣道競技開会式」で、親父とともに家伝剣術を招待演武させていただく。

我が一族は、祖父の頃から、各種剣道大会で招待演武をさせていただく機会が多い。

そのご厚情に深く御礼申し上げる

なぜならば我が家は、四代前の幕末の先祖が、家伝剣術のほかにも、旧弘前藩の命令で講武所式竹刀稽古(一統面小手仕合)を導入したこと、その後は、祖父や父が、近現代剣道指導者となったからだ。

このように、近世剣術から近代剣道への移行期を実際に体験し、代々稽古を継続してきた一族は、青森県内では我が家だけとなってしまった。

近代剣道以前、北奥のこの地で盛んに稽古されていた武術である。

我が家が十数代かけて、探求している心身の哲学だ。

剣道とは共通性もあるが異なる点もある。

しかし、何か提示すべきご縁があるから、呼んでいただいているのだろう。

それに感謝しつつ、己が与えられた役割を粛々と務めていきたい。

それとともに、ここ半年、家伝剣術の伝承のことで、ハラをくくりはじめた私のところへ、不思議にあちこちの旧家旧蔵の刀剣類が集まってくる。どうしたのだろうか。