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先日、国際武学研究会光岡英稔師範による稽古会に参加させていただいた。

人間の身体は、もともと左右非対称であり、それぞれ異なる特性と機能がある。

という、大きな示唆をいただいた。光岡師範に深く感謝申し上げたい。

以前、なみあし剣道を提唱されているK先生からも、左右の身体の役割は異なる、というようなご教示をいただいたことも思い出していた。

思えば、家伝剣術や林崎新夢想流居合も、左右の身体を非対称に使う所作ばかりだ。

ことに、家伝剣術小太刀の形は、「八字二刀」といって左右同じように使うことをいいながら、

実際の所作は左右の遣い方が異なり、現代武道では絶対にやらない、あたかも木切れを片手にした野猿が、踊るような不可思議な歩法で進む所作もある。

それは、先人達が、頭で考えた理論よりも、人間もともとの身体のあり様に耳を澄ませていたからこそ、自ずと気づいた、なるべくしてなる所作なのだろう。

実は最近、修武堂への入会希望者が、男性よりも女性が多くなっているのだが、固定観念にとらわれず、己の内観に耳を澄まして素直に動くことにおいては、男性よりも女性の方が優れている場合が多い気がする。

例えば頭の固い私は、身体は常に左右均等、シンメトリーで使うべきと思い込んできた。

武の稽古も、ランニングや日常の歩行でも、左右が異なることを是正すべき「違和感」として裁き、葛藤してきた。

しかしこれで、左右が異なる自分を認めていいのだと、深く納得し、スッキリした。

これでまた稽古が面白くなる。

日により、ランニングのコンディションが異なる理由のひとつも、わかったような気がする。

すると体はよく動くものだ。

翌々日は、雪がちらつく庭で、樹木の雪囲い作業だった。

不整地の茂みを歩き、立ったりしゃがんだり、材木を運んでくみ上げ、杭を打ち込むなどの肉体労働を丸一日ずっとやった。

どの所作も左右非対称。疲れを知らずスムーズに楽しめた。