そのほか

学生たちから気になる話を聞いた。 剣道、居合道にはそれぞれ段位があるが、なんと、剣道の段位を持っていれば、少しの講習会を受けるだけで、居合道の段位がもらえるというのである。 しかし実際にはどうだろうか。 いくら剣道で竹刀稽古に励んでも、制度上…

いくら私自身にとって必然性がある模索でも「正しい」大船から見れば、奇妙な存在として見えることもあろう。 笑われようともやるしかない。この文化そのものが風前の灯だ。 従前の方法が無効となりつつあるときに、意見はせず、上意下達にひたすら従順であ…

「ほんとうの日本文化は、日本全土の文化が参加して築き上げることが大切である。(中略) 地方の時代がほんとうに要求されるなら、まず中央文化の要求する地方文化の「型」に媚びないことである。 現実の「地方」を踏まえ、現実の地方の心をみつめて、日本…

人間は誰しも境遇を選ぶことはできず、己の好悪を越えてその場に生まれる。 それでも人生が面白いのは、自分の想定外の展開のなかでこそ「己」という小さな殻が壊れて、素晴らしい気づきと展開に恵まれることが多いことか。 そのような、いままで育ててもら…

みんなでH氏から、小舘俊雄伝の小野派一刀流剣術「詰座抜刀」を習い、今日は五本目までいった。 大太刀を帯刀して扶据し、小太刀へ対する。ところどころ林崎新夢想流居合に似ているとともに、帯刀したままで体術や柔術のような技が出てきて大変勉強になった…

あの3.11から、とうとう3年たった。 あのとき私は、岩手県遠野博物館のなかにいた。 ジオラマ模型作動のボタンを押した瞬間に、揺れが始まって被災し、さまようことになった。 その夜、冷たい避難所の床に寝ころびながら、峠むこうの沿岸部が、次々と津波で…

剣の稽古では、いまの稽古ばかりではなく、先人たちの遺産にも尋ねたい。 18歳のころから約20数年間、日本各地へ武芸伝書調査をして、少しずつ関係史料を収集してきた。 「いつか解読し、稽古に活かそう」とはかけ声ばかり。 家伝伝書もすべて読んでいないの…

多くの哲学を知っている者が、必ずしも人生の達人ではないように。 多弁であることが必ずしも武の達人であるとは限らない。 (まあ言葉もひとつの兵法、武器であるかもしれないが) 今日の雪道はアイスバーンだった。これは少しでも地面を蹴ったり、踏みしめ…

今週は日本武道館演武、文化庁出張、国立歴史民俗博物館共同研究と、一週間で3回も東京に行く予定が入ったが、いつもカバンのなかには緊急グッズを入れていた。 以前は、登山のときには、もしも遭難したときのために必ず充分な装備を持つが、人の住む世界に…

首都圏は大雪で大混乱。 私が上京する飛行機も欠航となり、国立歴史民俗博物館共同研究会を欠席せざるをえなくなった。残念…。 テレビで見る首都圏の大雪の風景は、ふるさと津軽の毎日と似ていた。雪に慣れないだろうから、多くの被害が出ているといい、本当…

ある体術専門の方が、刀法を工夫されていた。 それは、あくまで自分の体の動かし方があり、それを変えずに、剣を「召使い」として使ってやるぞという感じだった。 私も青少年期、重い木刀や鉄棒をブンブン振ればいいのだとやっていたが、いまからすればそれ…

武をやっていなくとも、たとえ小柄で病弱な方でも、人間として強い方、大きな方がいる。 そのような方に出会うと、己の弱さを顧みて、思わず首を垂れてしまう。 反面、体格に恵まれ道場や試合では強くとも、実社会に出れば、人間として脆弱な方もいる。 つま…

仕事帰り、ひとり暗夜の雪道を歩いていると、己がとぼとぼ歩いている、武の小路について考える。 「私は有名な○○団体に所属している。」と胸を張りたくなり、 「あの先生は素晴らしい」と信仰してしまうことがある。 「そこ」に安住し、まるで大船に乗ったよ…

今日、北辰堂の寒稽古納め会で、家伝剣術のほかにも、研究中の林崎新夢想流居合、本覚克己流和(柔術)を演武した。無刀氏、T氏、S氏にお助けいただいて。 おそらくこの道場では半世紀以上ぶりであろう。 私は一昨日、板の間での柔術稽古で、下手な受け身で…

仕事が終わり、無刀氏と夜の北辰堂で落ち合う。 真っ暗な部屋で剣道着に着替え、火の気のない、零下の板の間に立つ。 ジッとしていられない。小学生の頃、早朝、霜が薄く張った板の間のうえで、素足で毎日稽古していたことが信じられない。 八十に近くなった…

ニュースは「メジャー移籍」ばかり。「日本中が注目しています」とキャスターが言う。 全く関心がない私にとって不思議でならない。そんなに重要なことなのか。 この大変な時代だからこそ、もっと人々へ知らしむべき、報道すべき社会問題がたくさんあるはず…

以前は嫌いだった小泉元総理だが、今回は頷いてしまった。 TVコメンテイター達が、急に沈黙してしまうような社会的重圧のなか、大変な勇気だろう。 ともかく理屈が優り、複雑になりすぎるのも問題だ。対応力を失う。 目前で火が燃えていて、我が身が火傷しは…